たたみ込みの可換性
原書及び訳本では, 式 (12.45) の前で「関数 $B$ は相関関数 $A$ の逆であること」, すなわち, 次のような「たたみ込み」(convolution) の関係式が成り立つと書いてある: $ \def\ket#1{|#1\rangle} \def\bra#1{\langle#1|} \def\BK#1#2{\langle #1|#2\rangle} \def\BraKet#1#2#3{\langle#1|#2|#3\rangle} \def\ppdiff#1#2{\frac{\partial #1}{\partial #2}} \def\odiff#1{\frac{d}{d #1}} \def\pdiff#1{\frac{\partial}{\partial #1}} \def\Bppdiff#1#2{\frac{\partial^{2}#1}{\partial #2^{2}}} \def\Bpdiff#1{\frac{\partial^{2}}{\partial #1^{2}}} \def\mb#1{\mathbf{#1}} \def\ds#1{\mbox{${\displaystyle\strut #1}$}} $
これを校訂版では次式のように修正している:
しかし,「たたみ込み」では 可換則 と結合則が成り立つ:
例えば、H. P. スウ:「フーリエ解析」の § 4. 7 を参照されたい.
この可換則が成り立つことは, 例えば式(1) に於いて変数を $(t-s)\to u$ とすると, 式(1) は式(2) に一致することで確認できる.このとき$s=t-u$, また $ds=-du$ であるから,
ここで変数を $u\to s$ と書き直すと, 式(5) はまさに式(2) そのものである:
校訂版が敢えて式(2) のように修正したのは, 式 (12.42) からの導出を考えているからであった.すなわち, 式 (12.42) に於いて、 とすると,
となるが, 更に $s=0$ とすれば式(2) の形になるからである:
この議論は問題 (12.1) に関連したものである.今その問題 (12.1) に挑戦しているのだが, 神の声も聞こえず手がかりが全然ない〜〜。いつになったら解けるだろう?