ファインマンさんの肩に乗って晴耕雨読の日々

ファインマンを読んで気付いた事そして日常生活の記録

問題 4-1 の解答例

Problem 4-1

Show that for a single particle moving in three dimensions in a potential energy V(x,t)V(x,t) the Schrödinger equation is

iψt=22m2ψ+Vψiψt=22m2ψ+Vψ(4.13)

This equation was discovered by Schrödinger in 1925 and formed the central feature of the development of quantum mechanics thereafter.

(解答) これは本文の1次元での議論を3次元に拡張するだけでよい.3次元でのポテンシャル V(x,t)V(x,t) の中を運動する粒子に対するラグランジアン

L=m2˙x2V(x,t)L=m2˙x2V(x,t)

であり, 式(4.5)に対応する式は yy をベクトル化して y=x+θy=x+θ を考えると( θθ はゴシック体にうまく表示できていないが3次元ベクトルである), 次である:

ψ(x,t+ε)=d3θ1Aexp{im2εθ2}exp{iεV(x+θ2,t)}ψ(x+θ,t)ψ(x,t+ε)=d3θ1Aexp{im2εθ2}exp{iεV(x+θ2,t)}ψ(x+θ,t)(1)

そして式(4.6)に対応する式は, 次となる:

ψ(x,t)+εψt=d3θ1Aexp{im2εθ2}[1iεV(x,t)]×[ψ(x,t)+θψ+12(θ)2ψ]ψ(x,t)+εψt=d3θ1Aexp{im2εθ2}[1iεV(x,t)]×[ψ(x,t)+θψ+12(θ)2ψ](2)

この右辺を展開したときの主要項は次の積分となる:

1Ad3θexp{im2εθ2}=1A(2πiεm)3/2=11Ad3θexp{im2εθ2}=1A(2πiεm)3/2=1(3)

従って,

A=(2πiεm)3/2A=(2πiεm)3/2(4)

また, 式(4.9)に対応する式を考えると,

d3θ1Aexp(im2εθ2)θψ=dθxdθydθz1Aexp{im2ε(θ2x+θ2y+θ2z)}(θxψx+θyψy+θzψz)d3θ1Aexp(im2εθ2)θψ=dθxdθydθz1Aexp{im2ε(θ2x+θ2y+θ2z)}(θxψx+θyψy+θzψz)(5)

この3重積分は変数分離が可能である.そこで, 例えば θxθx についての積分部分を考えると,

1Adθxeimθ2x/2εθxψx+1Aeim(θ2y+θ2z)/2εψxθxdθx=1Aψxdθxeimθ2x/2εθx+1Aeim(θ2y+θ2z)/2εψxθxdθx=01Adθxeimθ2x/2εθxψx+1Aeim(θ2y+θ2z)/2εψxθxdθx=1Aψxdθxeimθ2x/2εθx+1Aeim(θ2y+θ2z)/2εψxθxdθx=0(6)

このとき, 第1項は式(4.9)よりゼロであるし, 第2項は積分被積分関数が奇関数であることより明らかにゼロとなるので, 式全体がゼロとなる.残りの変数 θyθyθzθz についても全く同様なことになるので, 結局は上述の式はゼロとなる:

d3θ1Aexp(im2εθ2)θψ=0d3θ1Aexp(im2εθ2)θψ=0(7)

また, 式(4.10)に対応する式を考えると,

d3θ1Aexp(im2εθ2)12(θ)2ψ=12Adθxdθydθzexp{im2ε(θ2x+θ2y+θ2z)}(θxψx+θyψy+θzψz)2d3θ1Aexp(im2εθ2)12(θ)2ψ=12Adθxdθydθzexp{im2ε(θ2x+θ2y+θ2z)}(θxψx+θyψy+θzψz)2(8)

前と同様に, θxθx についての積分部分を考えると,

1Axdθxeimθ2x/2εθ2x2ψx2+eim(θ2y+θ2z)/2εAxdθx2θx(θy2ψxy+θz2ψxz)=2ψx21Axdθxeimθ2x/2εθ2x+2eim(θ2y+θ2z)/2εAx(θy2ψxy+θz2ψxz)θxdθx=0=iεm2ψx2

残りの変数 θyθz についても全く同様なことになるので, 結局は上述の式(8)は次となる:

d3θ1Aexp(im2εθ2)12(θ)2ψ=iε2m(2ψx2+2ψy2+2ψz2)=iε2m2ψ

すると式(4.6)に対応する式(2)の右辺は次となる:

d3θ1Aexp{im2εθ2}[1iεV(x,t)]×[ψ(x,t)+θψ+12(θ)2ψ]=ψ+iε2m2ψiεV{ψ+iε2m2ψ}=ψ+iε2m2ψiεVψ+ε22m2ψ

ただし最後の項は ε について2次であるので無視する.この結果から式(4.6)に対応する式は次となる:

ψ+εψt=ψ+iε2m2ψiεVψ

この式中で ε の1次の項を集めた式は,

ψt=i2m2ψiVψ,

これの両辺に /i を掛け合わせるならば, 問題文のシュレディンガー方程式(4.13)を得る:

iψt=22m2ψ+Vψ