ファインマンさんの肩に乗って晴耕雨読の日々

ファインマンを読んで気付いた事そして日常生活の記録

ファインマン

Poisson分布と指数分布

第12章は「関数の確率」が経路積分によって議論できることを述べている. その導入部で,次のような意味の文章が書かれてある:「離散的事象がランダムに起こっている例として,宇宙線が検出器に入射する場合がある.粒子が平均計測率$\mu$で降下すると,任意の…

式(5.17)について

約1ヶ月ぶりに書く記事である.今は第12章「確率論に於ける諸問題」に取り組んでいるのだが、学生時代から確率・統計は非常に苦手なので、例によって式を理解するのに大分苦労している.そのために多くの参考書を見ながら再勉強している訳である. その中で…

ポーラロンとファインマン

J.T.Devreeseがポーラロンについての優れた概説を次に書いている: Polarons, Review article in Encyclopedia of Applied Physics, $\mathbf{14}$, 383, (1996) この論文は次のサイトから入手出来る: https://arxiv.org/pdf/cond-mat/0004497.pdf その§1.2…

表11-1の$E_{f}$をMathematicaで数値計算する

次の式(11.75)の$A$は、その中の積分を閉じた形で行うことが出来ない: $$ A=\frac{\alpha v}{\sqrt{\pi}}\int_0^{\infty} dt\,\frac{e^{-t}}{\sqrt{w^{2}t +\frac{v^{2}-w^{2}}{v}(1-e^{-vt})}} \tag{11.75} $$ 従って式(11.80)の基底エネルギー$E_0$の最小…

式(11.78)から式(11.79)の$E_{0}^{'}$を求める

まず校訂版にあるように、式(11.2)と式(11.13)とから次式が言えることに注意する: $$ \lim_{\beta\to \infty} Z^{'}=e^{-\beta E_{0}^{'}}=\lim_{\beta\to\infty} \int_{-\infty}^{\infty} dx_{1} \int_{x_{1}}^{x_{1}} \mathscr{D}x(u)\,e^{-S^{'}} =\lang…

式(11.77)の$B$を求める

式(11.77)は式(11.62)の第2項目である$B$を求めたものである: $$ B=\frac{3C}{v w} \tag{11.77} $$ ファインマンは「$B$を求める積分は容易に行える」と言っている. 論文や本で著者が「この計算は容易に実行出来る」と述べている場面によく出会う.しかし…

式(11.71)と式(11.72)の導出

10月19日に書いたが,Schulmanが「積分の端点についてどうする必要があるのかよく分からない」と述べている式の導出に挑戦して見よう. ファインマンはまず式(11.70)で量$Z(t)$を次のように定義している: $$ Z(t)=\frac{w}{2}\int_0^{\beta} ds\,X'(s) e^{-…

式(11-69)の導出

前に書いた記事に関連して,式(11.69)の導出に挑戦した過程を示しておこう.式(11.67)を$I=\exp(I')$とすると$I'$は, $$ \begin{align} I'&=-\frac{1}{2}\int_0^{\beta}dt\,\dot{X}'(t)^{2}-\frac{C}{2}\int_0^{\beta}dt\int_0^{\beta}ds\,\Bigl[X'(t)-X'(s)\…

wxMaximaを使う

式(11.69)を証明するために次式が言えることを示す必要があった: $$ \int_0^{\beta}dt\int_0^{\beta}ds\,\left[x^{2}(t)-x^{2}(s)\right]\,e^{-w|t-s|}=0 \tag{1} $$ しかし数学能力に乏しい者にとって,これを直接的に示すことは難しい!.そこで姑息ながら…

ポーラロンについて

今第11章の§11-4 極性結晶中の遅い電子 のまとめに取り組んでいるが,前に述べたようにここにずっと止まっている.そこでは「ポーラロン」の議論がされている.ポーラロンについてはファインマンも重要な論文を書いているようである.また「ファインマン統計…

遷移振幅について Part 2

前に「遷移振幅と遷移要素の違い」について書いたが, 第8章などに振幅$G_{mn}$という量が出て来るので,もう一度遷移振幅についてまとめておくことにする. 振幅$G_{mn}$について §8-9 強制調和振動子 で「初めに状態$n$に在った振動子が時刻$T$に状態$m $に…

式(11-57)中の波数$k$についての積分

式(11-57)中の波数$\mathbf{k}$についての積分を実際に行うことは数学の苦手な初心者には少しハードルが高かった。苦労した結果を少し詳しく書いておく.まず関係する部分だけを抜き出すと次となる: $$ \def\mb#1{\mathbf{#1}} \def\reverse#1{\frac{1}{#1}…

問題9-8中の振動子波動関数について

問題文の中で振動子に対する波動関数を校訂版では$\phi_1(x)=\sqrt{2}x\phi_0(x)$と修正している.これについて考えてみる.振動子の波動関数は式(8-17)$\sim$式(8-19)から $$ \def\braket#1#2{\mathinner{\left\langle{#1}\middle|#2\right\rangle}} \def\B…

式(9-43)に於ける$\bar{a}$の導入について

校訂版では,原書の量$a_{1\,\mathbf{k}}$を敢えて次式により定義した$\bar{a}_{1\,\mathbf{k}}$を式(9-43)の前で導入して,以後では$a_{\mathbf{k}}$の代わりに全てそれを使用している: $$ \def\mb#1{\mathbf{#1}} \begin{equation} \bar{a}_{1\,\mb{k}}\equ…

式(8-79)の再考察

前に書いた「式(8-78)の説明について」の中で述べた事を取り消します.その記事の中で式(8-79)を次のように修正すべきと言った: $$ \begin{equation} Q_{\alpha}=Q_{\alpha}^{C}-iQ_{\alpha}^{S} \tag{8-79'} \end{equation} $$ しかしこの修正は不要であっ…

式(8-78)の説明文について

式(8-78)以降の議論は,以下のようにした方が良いと思われた. 式(8-78)を次のように書いて見ると,その下の説明文:「式(8-78)に因子$½$が再び現れている.なぜなら$\alpha$の正負の全ての値について和をとると$Q_{-\alpha}^{*}Q_{-\alpha}=Q_{\alpha}Q_{\alp…

§7-7に於ける「時間のずれ」の議論について

先日公開したのですが再考し,以下のように 修正いたします. (結局は,最初にノートにまとめたものに落ち着きました.でもまだすっきりしません.) [1]. 式(7-119)は原書と校訂版の両者で次となっている: $$ \def\bra#1{\mathinner{\left\langle{#1}\right|}…

問題7-10のヒントの式について

再検討した結果、前に載せた記事を再掲いたします。*1 原書及び校訂版のいずれに於いても,問題7-10に於けるヒントの式は次のように書かれている: $$ \begin{equation} \acute{S}_{cl}-S_{cl}=\frac{1}{2}\int dt \int ds\, f(t)f(s)g(t,s)+\int dt\, \bar{x…

遷移振幅と遷移要素の違い

問題7-14について 原書に於ける問題7-14の問題文は次となっている: Show that the transition amplitude of $(m/\epsilon)(x_{k+1}-x_k)f(x_{k+1})$ is equivalent to that of $(f\cdot p)$ ここの「遷移振幅」(transition amplitude)は「遷移要素」(transi…

第6章の式(6-58)について

原書及び和訳本では,第6章の式(6-58)は次のようである: $$ \displaystyle \def\mbraket#1{\mathinner{\left[#1\right]}} K^{(2)}(b,a)=\left(\frac{m}{2\pi\hbar^{2}}\right)^{2}\left(\frac{m}{2\pi i\hbar T}\right)^{3/2}\int d^{3}\mathbf{r}_c \int d…

第6章の式(6-101)の下の式について

原書とその邦訳本そして校訂版のどの本に於いても,第6章の式(6-101)の次にある式は以下のようになっている: $$ 2i\int_0^{\infty}\frac{\sin y}{y}\,dy=2\pi i $$ しかし,岩波の「数学公式$\mathrm{I}$」§56 (p.251) に次の公式が載っている: $$ \int_0^{…

邦訳版の第3章の式(3.26)のタイプミス

初版の原書の式(3.26)は次となっている: $$ \displaystyle \def\mbraket#1{\mathinner{\left[#1\right]}} \psi(x)=\sqrt{\frac{m}{2\pi i\hbar}}\mbraket{T\theta\left(\frac{1}{T}+\frac{1}{\theta}+\frac{i\hbar}{b^{2}m}\right)}^{-½}\\ \quad\times\exp…

ファインマンの「量子力学と経路積分」を読む

いよいよこのブログの主題である「ファインマンさん」の本:「量子力学と経路積分」について書いて行こうと思う.ファインマンには超有名な「ファインマン物理学」という本があり,小生もずっと前に翻訳本を全て購入して持っている.しかし正直言うと大した「…