ファインマンさんの肩に乗って晴耕雨読の日々

ファインマンを読んで気付いた事そして日常生活の記録

グリーン関数について part 4

以下は, 砂川重信:「理論電磁気学」, 及び J.D.Jackson:「Classical Electrodynamics」, そして ランダウ:「力学・場の理論」から, 関係する部分を抜粋してまとめたものである.ただし Jackson は第3版の訳であるが, そこでの式は, 第10章までは SI単位…

問題 3-11 の解答例

この問題も, 前問と同様に次のサイトに解答例が示されている: http://www2.oberlin.edu/physics/dstyer/FeynmanHibbs/Prob3-11.pdf しかし, ここでは Hagen Kleinert の解説文をまとめることで解答して見よう. Problem 3-11 Suppose the harmonic oscillat…

グリーン関数について part 3

Sturm-Liouville 理論としてのグリーン関数 以下は Wikipedia(英語版) を訳出したものである. Sturm-Liouville theory 数学およびその応用に於いて, Jacques Charles François Sturm と Joseph Liouville にちなんで名付けられた古典的な Sturm-Liouville …

Kleinert の修正 part 2

問題3-11の解答をKleinertの文章をまとめることで示そうと思うが, そのkleinertの原文にタイプミスがまた在るようだったので報告しておく. §3.1 External Sources に於ける式(3.5)の前後の文章は次となっている: Consider a harmonic oscillator with an a…

ガウス積分について

この記事は本文 §3.5 からの抜粋である.あえて記事として書いておくのは, この部分は以降の章でよく利用される事柄で, 問題3-11でも用いられるからである. 最も単純な経路積分は「指数部分に全ての変数が2次の多項式の形で現れる場合」で, それは特に「ガ…

グリーン関数について part 2

この記事はJ.J.Sakurai :「現代の量子力学」第7章からの抜粋である. 散乱理論 時間を含まない散乱過程の理論 ハミルトニアンが次式のように表せると仮定する: $$ \def\mb#1{\mathbf{#1}} \def\ket#1{\left|#1\right\rangle} \def\bra#1{\left\langle#1\ri…

グリーン関数について part 1

ランダウ:「力学・場の理論」の§ 60, 小出昭一郎:「物理現象のフーリエ解析」の第4章, そして今村勤:「物理とグリーン関数」の第10章 からの文章を抜粋することで「Green関数」についてまとめておこう.問題 3-11 の回答もまた Kleinert に頼ることにした…

問題 3-10 の解答例

4月に入って農作業が色々と始まったり, 問題の検討と修正に大分手間取ってしまったので記事にするのが大分遅れたが, 今日やっと書き上げることが出来た.前述したように, この解答はkleinertの解説を元にしたものである. 色々と間違いやタイプミスがあって…

Kleinertの修正

多くの問題が自力では解答出来なかったので色々な参考書から関係する部分を抜粋して解答を書いて来た.しかし, 一連の記事を書くとき再度見直していると, 色々間違えているが多くて, それらを修正しながらこのブログに載せている.問題3-10もその一つである…

ポテンシャルとゲージ変換

問題3-10 の解答の準備の最後として,「ゲージ変換」について, J.J. Sakurai の§ 2.6 から文章を抜粋して述べておく. 一定のポテンシャル 古典力学では, ポテンシャルエネルギーの原点は物理的に任意に選ぶことが出来ることはよく知られていることである.こ…

位相空間での経路積分

問題3-10の解答を書く準備として, もう一つ記事を書いておく.それは経路積分のより一般的な「位相空間に於ける経路積分」の表現についてである.ファインマンの本文の§ 2-4 の式(2.25)は, 「配位空間に於ける経路積分」の表現と言える: $$ \def\ket#1{\lef…

電磁場中の荷電粒子の相対論的なラグランジアン

前述の記事で求めたラグランジアンは, 荷電粒子の速度が小さい場合の近似的な式であった.厳密なラグランジアンは相対論的な議論が必要である.そこでランダウ=リフシッツ:「力学・場の理論」§43 からの抜粋により「相対論的なラグランジアン」を求めておこ…

速度依存ポテンシャル

問題3-10では,「電磁場に於ける荷電粒子の運動」を扱っている.この場合, 荷電粒子は速度に依存したポテンシャルを受けながら運動することになる.そこで問題に答える準備として, まず「速度依存ポテンシャル」について, テル・ハール:「解析力学」の第2章…

問題 3-9 の解答例

Problem 3-9 Find the kernel for a particle in a constant external field where the lagrangian is $$ L=\frac{m}{2}\dot{x}^{2} + fx \tag{3.61} $$ The result is $$ K=\left(\frac{m}{2\pi i\hbar T}\right)^{1/2}\exp\left[\frac{i}{\hbar}\left\{\fr…

問題 3-8 の解答例

Problem 3-8 For a harmonic oscillator the lagrangian is $$ L=\frac{m}{2}\dot{x}^{2}-\frac{m\omega^{2}}{2} x^{2} \tag{3.58} $$ Show that the resulting kernel is (see Prob. 2-2) $$ K(b,a)=F(T)\exp\left\{\frac{i m\omega}{2\hbar \sin \omega T}…

経路積分で使われている「量子力学の原理」

前の記事「遷移振幅と遷移要素の違い」に於いて, ファインマン物理学から「量子力学の第一原理」について書いた.しかしファインマンはそれだけでなく, ファインマン物理学V「量子力学」の第3章で,「第2番目の一般原理」そして「第3番目の一般原理」も記述し…

問題 3-7 の解答例

Problem 3-7 Further information about this function $F$ can be obtained from the property expressed by Eq. (2.31). First notice that the results of Prob. 3-6 imply that $F(t_b-t_a)$ can be written as $F(t)$, where $t$ is the time interval …

問題 3-6 の解答例

Problem 3-6 Since the free-particle lagrangian is quadratic, show that (Prob. 2-1) $$ K(b,a)=F(t_b,t_a)\,\exp\left\{\frac{im(x_b-x_a)^{2}}{2\hbar(t_b-t_a)}\right\} \tag{3.52} $$ and give an argument to show that $F$ can depend only on the …

問題 3-5 の解答例

Problem 3-5 Use the results of Prob. 3-2 and Eq. (3.42) to show that the wave function of a free particle satisfies the equation $$ -\frac{\hbar}{i}\frac{\partial \psi}{\partial t}=-\frac{\hbar^{2}}{2m}\frac{\partial^{2} \psi}{\partial x^{…

問題 3-4 の解答例

Problem 3-4 Suppose a free particle has a definite momentum at the time $t=0$ ( that is, the wave function is $Ce^{i(p/\hbar)x}$ ). With the help of Eqn. (3.3) and (3.42), show that at some later time the particle has the same definite mom…

問題 3-3 の解答例

Problem 3-3 By squaring the amplitude given in Eq. (3.20) and then integrating over $x$, show that the probability of passage through the original sharp-edged slit is $$ P(\text{going through})=\frac{m}{2\pi\hbar T} 2b \tag{3.35} $$ In the…

問題 12 - 2 の解答例

Problem 12-2 Show that the constant required to normalize the probability function is $$ \text{const} = \sqrt{\frac{6}{\pi R T^{3}}}\sqrt{\frac{1}{2\pi R T}} \tag{12.77} $$ (解答) § 3.5 ガウス積分, に於いて「経路 $x(t)$ は古典的経路 $\bar{…

式(12.21) $\sim$ 式(12.25) の導出

前述の記事と関連して, 式(12.21)から式(12.25)までの導出過程も示しておこう. 指数関数の級数展開 $e^{A}\simeq 1+A+A^{2}/2!+\dotsb$ で $\displaystyle{A=i\int dt\,k(t)g(t-s)}$ とすると, $$ \begin{align} &1-\exp(A)\simeq 1-1-A-\frac{1}{2!}A^{2}=…

式(12.17)$\sim$式(12. 20) の導出

式(12.17)が成立するのは明らかである ( 同形な積分の$n$個の掛け合わせとなるので, 各々の積分変数を全て $t_i=s$ とすればよい ): $$ \begin{align} \Phi[k(t)]&=\int_0^{T}\frac{dt_1}{T}\int_0^{T}\frac{dt_2}{T}\dotsb \int_0^{T}\frac{dt_n}{T}\,\exp…

不規則信号の線形変換

式(12.20)などを導出するもう一つの準備として, 不規則信号を電気回路などに加えた場合の出力信号の性質について調べてみよう.この記事は, 佐藤拓宋:「電気系の確率と統計」§ 7.4 から抜粋してまとめたものである. 線形変換 (linear transformation) 入力…

ショット効果雑音

式(12.20)などを導出する前に, その物理的背景である「ショット効果雑音」について書いておこう.以下の記事は, 小倉久直:「確率過程論」の§ 9.2 及び佐藤拓宋:「電気系の確率と統計」そして霜田光一:「エレクトロニクスの基礎」からの抜粋をまとめたもの…

式(12.17)$\sim$式(12.21)の修正

§12.3 雑音 に於ける式(12.17)から式(12.21)は 原書と訳本とで異なっている!.校訂版も基本的に原書と同じ表現であり, 修正は無いと言える.それらを分かり易い校訂版の表式で示すと次である: $$ \begin{align} \Phi[k(t)]&=\int_0^{T}\dotsb \int_0^{T}\i…

式(12.58)とデルタ関数の利用法

式(12.58)は, 校訂版では指数部だけの表現に修正され, また$K(\omega)$はその複素共役に変更されている: $$ i\int dt\,k(t)\,f(t)=i\int \frac{d\omega}{2\pi} K^{*}(\omega)\,\phi(\omega) \tag{12.58} $$ この式を導出するにはデルタ関数の性質を利用する…

プロパゲーターと経路積分

前述の問題3-2で「振幅$K(b,a)$ はシュレディンガー方程式を満たす特殊な波動関数と見做すことが出来る」ことを確認した.これはどう言う事なのだろうか?. J.J.Sakurai :「現代の量子力学」の § 2.5 は「プロパゲーターとファインマンの経路積分」となって…

問題 3-2 の解答例

解答に必要なのは微分することだけだ。問題自体は多くの問題の中で最も易しい方である. Problem 3-2 Show by substitution that the free-particle kernel $K(b,a)$ satisfies the differential equation $$ \def\ppdiff#1#2{\frac{\partial #1}{\partial #…